【第二話】デヴィ夫人に認められたい

テスト
七里です。

デヴィ夫人と私の物語、第2話は

デヴィ夫人に認められたい!です。

私は第1話で、
デヴィ夫人と仲良くなりたいと思いました。

仲良くなるにはどうすればいいか、
という話をしたのですが…

次の課題は、仲良くなるだけではなくて、
「認められたい」という欲望が
芽生えてきたことです


デヴィ夫人に関わらずですが
基本的に人に認められるために、
重要なことはこの4つです。


・礼儀正しさの重要性
・適切な服装の必要性
・会話力の重要性
・エスコートの難しさ



礼儀正しさ

私は元々空手、応援団、
自衛隊をやっていたので、
上下関係には慣れています。


年配の方や先輩には、
絶対に礼儀正しくしなければならない

という意識がありました。

また、姿勢が良いとよく言われます。

空手、応援団、自衛隊と、
姿勢を正す訓練を受けてきたからでしょう。

意識はしていませんが、

姿勢が良いと誠実に見られるようです。


適切な服装

デヴィ夫人からの指令は、本当に大変です。


一度、服装で怒られて、
帰らされたことがあります。


夫人の知り合いの
結婚式の招待状が届いたのですが
英語で書かれていてよく読めませんでした。

場所は恵比寿のロブションの2階。

カジュアルなイメージだったので、
「カジュアルでいいのかな?」
と思っていたのですがよく見ると
「ブラックタイ」と書いてありました


会場に着くと、
みんな蝶ネクタイのタキシード姿。


「あー、やっちゃったー」と思いました。

夫人は3階で着替えていて、
「絶対に怒られる!」と思いました。

エレベーターで3階へ上がると、
開いた瞬間、夫人がそこにいました。


「あら、その服ダメよ。
 今すぐ着替えてらっしゃい」


と言われ、「ですよね」と言いながら、
エレベーターから降りて、
タクシーで家に帰りました。

ブワーッと着替えて、
40分遅れで会場に戻りました。

あの時は、本当に反省しました。

まだ夫人と知り合って
1年も経っていなかったので
それからは気を付けて夫人に誘われたら、
事前に下見に行くようになりました。

例えば、帝国劇場が会場なら、
事前に現地に行って、駐車場の位置や
建物の雰囲気を確認します


秘書にパーティーの内容を詳しく確認し
服装は事前に写真で確認してもらう等
徹底的に準備をするようになりました。


今では、パーティーの趣旨や会場、
時期を見ればどんな服装で行くべきか
瞬時に判断できます。


しかし、当時は全く経験がなかったので、
事前に調べるようにしていました。


会話力

デヴィ夫人に認められるためには、
会話力も重要です。

タクシーの中や食事中など、
夫人と2人きりになる時は、
常に会話が必要です。

夫人には、楽しく会話できる質問いわゆる

「キラークエスチョン」があります。

逆に、夫人が不機嫌になる
「バッドクエスチョン」も存在します。

これらの質問を理解することが、
会話の鍵となります。

常に相手が楽しく会話できるような話題を
提供することが重要です。

過去に、友達を連れて行った際に、


「この前来た人は全然しゃべらないし
 おもしろくないわ。もう呼ばないで」


と言われたこともあります。

しかし、逆に服装がダメな人に対しては、


「あの子はなかなかおもしろい子だから
 服装は教えてあげればいいわよね」


と、育てようとしてくれることもあります。

私も夫人から、あなたはそれダメ、
これダメ。こういう服を着なさい。
ズボンの裾はこうよ!
と、厳しく指摘されました。


怒られているのではなく、
夫人にとって間違っていることを
指摘しているのです。



エスコート

一度、歌舞伎町のキャバクラに
夫人を連れて行ったことがあります。

夫人が電話をかけてきて、


「あら七里さん、私暇なんだけど、
 美味しいものを食べに連れてって」


と言ってきたので、
夫人は焼肉が大好きなので、
「歌舞伎町の游玄亭に行きますか?」
と提案しました。


「游玄亭は良いわね」

と、夫人は喜んでくれました。

せっかく2人きりなので、
自分でお金を払いたくなかった私は、
歌舞伎町のキャバクラのオーナーに連絡し、

「夫人と2人で游玄亭でご飯を食べるので、
 お店で1番売れている女の子か、
 あなたが連れてきたい子を
 1人だけ連れてきてください」

とお願いしました。

4人で食事をしたのですが
売れている女の子は媚びを売らないので、
夫人とは相性が悪かったようです


夫人もあまり楽しそうではなく、
もっとキャピキャピした子が良かった
と思いました。

その日は、私が

「夫人、この後キャバクラにいきませんか?」

と誘うと、


「私はそんな所に行きたくないわ」

と断られました。

「いやいや、一緒に食べているんだし、
 せっかくなら行きましょう!」

と、私がしつこく誘うと、
昔、一度連れて行ったことが
あることを思い出したのか


「じゃあ、少しくらい良いわ」

と、渋々承諾しました。

そのキャバクラでは、女の子は夫人と
接客することはありませんでしたが、
夫人が来たことで店内は大盛り上がりでした。


ここで、再び
「キラークエスチョン」が登場します。


夫人は、注意したり、
教えることが好きなんです。


「夫人、この子のメイクどうですか?」

と、私が聞きました。

夫人はメイクにこだわりがあり、
昔の女優の眉を真似しています。


「あら、あなたのその眉はダメね」

と、夫人はキャバ嬢たちに注意を始めました。


「メイク道具を持ってきなさい」

と言って、全員の眉を描き直したり、
リップを塗ってあげたりするのです。

夫人のメイク直しは人気で、
行列ができるほどでした。

夫人は、誰かに教えたいのではなく、
間違っていることが許せないのです


そして、その子がより美しくなるように、
教えたいという育てたい願望があるのです。

このように
私がキラークエスチョンを駆使して
夫人を喜ばせるような会話をするうちに、
夫人も楽しそうで、
つい時間を忘れてしまいました。

「夫人、そろそろやめませんか?」

と、私が言うと


「私は今すごく楽しいんだから、
 余計なことを言うんじゃないわよ」


と怒られました。


ドレスコード


デヴィ夫人からの指令で、
最も難しいのがドレスコードです。


例えば、下記のような様々なコーデがあります。

・トロピカルスマート
・レッドカーペットスーパースター
・5番街の白鳥
・仮面舞踏会
・ピンクコーデ
・オスマン帝国

写真は上がオスマン帝国で
下が5番街の白鳥です。

わかりっこない、そう思いませんか?笑
 

普通の講演会やパーティーならいいのですが
本格的なパーティーの時は、
必ずドレスコードが指定されます。

そのため、1着100万円近い
衣装代がかかることもあります


しかし、私は


夫人に認められたい!
指摘されたくない!
夫人にとって良い人と思われたい!


という一心で10年以上、
この厳しい試練を乗り越えてきました。

そして、成長できたと思っています。

誰かに認められたいという気持ちは、
モチベーションになります。

10年ほど経った頃、夫人から


「あなたも成長したよね。
 今あなたは完璧な男よ」


と言われた時は、本当に嬉しかったです。

このように、

私はデヴィ夫人に認められたい一心で
気を使ったり行動してきた結果、
今の私があるのです。


世界のデヴィ・スカルノに認められたことは
今でも本当に嬉しいです。

しかし、そんな私も、
デヴィ夫人と絶交したことがあります。


第3話では、夫人にある程度
認められるようになったものの
絶交してしまった話をしたいと思います。

次回をお楽しみに。

七里
コメントはこちらから